2013年2月19日火曜日

土錘焼き

土錘(どすい)とは、土でできた「おもり」のことです。
能島城でもたくさん出土しますが、小さなものが多いので、おもに漁網につけるものと考えています。
11月に宮窪小学校の6年生と一緒に土錘を作りました。
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しっかり乾燥しましたので、先週の土曜日、これらを焼きました。


今年も、ミュージアムパートナーのおじさんたちにお世話になりました。

子どもたちは、火をおこす作業から始めます。今年は苦戦しました。なかなかつきません。
本当は、火打ち石や火打ち金を使った方が、中世らしいのですが、なかなか実現できずにいます。いつか実現したいですね。

籾殻を敷いた上に薪を積み、その上に土器を並べていきます。
その上に藁をかぶせて、さらによく練った土でパックして完成です。
その時、点火口と、煙の抜ける穴をあらかじめ開けておかなければなりません。

着火の瞬間が子供たちのテンションが一番上がるのはなぜでしょうか。
無事、火入れが終わり、上の穴から煙が出始めました。あとは焼きあがるのを待つのみです。


この行事は、「まちなか探検学習」といって、宮窪公民館が行っているもので、宮窪小学校の6年生が対象になります。土器焼きは3年目になるのですが、毎年焼き上がりが異なるので、とても面白いですね。地元の宮窪の土と、信楽焼の粘土で作ったものを比較したりして、簡単な実験考古学を行っています。
能島城から出土するものは、宮窪の土で作ったものの方に似ていますが、まったく同じではありません。出土品の方が、土もきめが細かく、形も綺麗に仕上がっています。簡単なように見えて、実際に作ってみると意外と難しいということもわかりました。

翌日、土器を取り出してみると、少々黒くなっていますが、無事に焼けていました。(K)