2013年6月17日月曜日

マタグルマの旅立ち

かつて採掘した大島石の運搬に使用されたマタグルマ。


昭和30年代 不許転載 当館蔵


先日、展示してある石文化運動公園(石文化伝承館)からトラックに載せられて、千葉県へと運ばれていきました。

国立歴史民俗博物館で開催されるこの企画展に出展されるためです。


大切な資料の旅立ちということで、学芸員の私Kは、インターンシップ中の伯方高校生を連れて、搬出の立会に行ってきました。
通常の宅配便とはちがって、今回は美術品輸送。専門のスタッフによって、エアキャップ(プチプチ)などで厳重に梱包され細心の注意を払って運搬されます。


運送屋さんの誤算?は、マタグルマの上に石が積んであったこと。借受先の担当者から事前に聞いていたということですが、実物を見て、ため息をついている瞬間を私は見逃しませんでした。


だって、ひとつ約50kgのものが、十数個のっているんですから。
でもさすがは運送のプロですね。返却後に積み直すことも考えて、手際よく作業を進めていきます。他の資料の梱包も含めて約2時間の作業が終わり、マタグルマは無事、千葉へと旅立っていきました。

宮窪町の採石道具も展示される企画展『時代を作った技-中世の生産革命-』は、7月2日~9月1日まで、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で開催されます。そしてなんと、その後の9月13日~11月4日には、この展示が広島県立歴史博物館(広島県福山市)でも開催されます。

いま宮窪町の産業を支えてきた大島石の伝統と技術、そして文化に光があたろうとしています。(K)