2013年9月30日月曜日

能島上陸と潮流クルーズ ( 期間限定・プレモニター )

一般の人が、能島へ上陸できるのは通常、花見の時期の年2日のみですが、来年開催される瀬戸内しま博覧会「瀬戸内しまのわ2014」のプレ企画として実施するようです。


市内の旅行業 株式会社「瀬戸内しまなみリーディング」の観光事業部が主催し、地元宮窪漁協の協力で船を運行。宮窪漁港(博物館前の能島水軍)を出発し、能島近海の潮流を体験後、上陸。南部平坦地、三ノ丸、二ノ丸、本丸跡などを散策するようです。


プレモニターということで期間限定今年10月と11月のみ。

また潮の状態が日々変化しますから、運航日によって出航時間が異なるようです。予約制なので、詳しくは同社観光事業部( 0898-35-4886 )にお問い合わせください。


基本的に1時間コース。能島の上陸時間は20分~30分程度と短いものの、コンパクトで機能的な海城の様子は体感できると思います。
※定期的な草刈を行っていますが、簡易的な階段の部分もあり、シューズなどをお勧めします。ハイヒール等は厳禁ですね。


さらに10月からは能島城現役当時の登城路把握を目的とした試掘調査(本丸に登る階段部分の調査)が始まるため、本丸跡には登れない日があると思いますが、安全上ご協力のほどお願いいたします。
現在の本丸跡への登城路1 (草刈後)

現在の本丸跡への登城路1 (草刈前)
 
現在の本丸跡への登城路2 (草刈後)
 
二の丸跡の草刈前

南部平坦地の草刈作業中

先日、能島城内を散策できるように、恒例の定期的な草刈に出かけました。1ヶ月でこのありさまです。
毎月5~6名で丸一日かけて作業します。史跡内ですので除草剤は使えないし、なんとかならないものかと思いついたのが、この動物たち。


「NPO法人 能島の里」 さん http://www.noshimanosato.org/ が管理されているやぎさん。


2頭ともレディなので、安心??。その昔、能島には「うさぎ」さんがいっぱい繁殖していたようで、雑草はあまり見られなかったとのこと。うさぎを追いかけるのは大変ですが、やぎさんであれば。。Dの個人的な構想ですが、管理・運搬等、諸問題があるものの、いつかは実現したいものです。


来年の「しまのわ 2014」の開催期間中、能島上陸と潮流クルーズ は運行予定(平成26年3月~10月)。長年、能島城の試掘調査に携り、遺構を熟知している博物館ボランティア「せんどうさん」の本領発揮といえそうです。(D)

2013年9月25日水曜日

因島水軍城資料館と白滝山巡り

先日、因島村上氏の資料を収蔵している尾道市因島の「因島水軍城資料館」と、にほんの里100選に選ばれている「白滝山」にいってきました。


村上水軍は、ご承知のように中世の瀬戸内海で活動した水軍(海賊)であります。村上氏の起源は諸説ありますが、能島村上家、来島村上家、因島村上家の三家に分かれており、その勢力拠点は芸予諸島を中心とした海域であります。


私は始めて訪れたのですが、「因島水軍城資料館」は因島村上家の本拠とだけあってコンパクトですが、甲冑・村上家文書・金蓮寺在銘瓦・リアルな水軍船の模型・太刀・水軍旗などの資料も豊富に展示されています。館内を散策していると細かいことですが、水軍旗の㊤の字体も能島村上氏と少し違うことに気づきます。  9月27日以降は後期所蔵品展として「村上水軍の武将たち」が始まるそうです。


歴史系のところには必ずありますね。当館にはまだ設置されていませんが、いずれは。。。
資料館には、ここからしばらく階段や坂を上ります。



資料館から出てしばらくすると、因島村上水軍関係の墓と伝えられている墓地を参拝できるようになってます。


立派な宝経印塔や五輪塔ですが、菩提寺である金蓮寺や集積された墓は、他所から移転したとのことです。

                       金蓮寺の棟瓦には㊤が。


続いて、因島のパワースポット。にほんの里100選に選ばれている「白滝山」に登ってきました。

白滝山頂案内図によると
「標高227mの白滝山は、1569年に村上吉充(因島村上氏第6代当主)が観音堂を建立したと伝えられ、その後、柏原伝六とその弟子たちによって、五百羅漢の石仏が作られました。
羅漢像や釈迦三尊像、阿弥陀三尊像、伝六夫婦像などさまざまな姿態や表情の大小約700石仏が自然に溶け込んで、独特の雰囲気を醸し出しています。」



ここには、因島八十八か所霊場のひとつである「八栗寺」があります。標高が約226メートルで、山頂からは因島を一望できるオススメスポットです。山頂には五百羅漢の石仏があり、春や秋には桜や紅葉がきれいだろうなあと思わせてくれる絶景の場所です。




                  思わず何回か鐘を鳴らしちゃいました。(D)

2013年9月23日月曜日

NHK『歴史秘話ヒストリア』に村上水軍!



写真はイメージです。番組の一場面ではありません。

次回のNHK『歴史秘話ヒストリア』は「戦国のプロフェッショナルたち~己の腕で乱世を生きる~」です。忍者、水軍、武器作りや築城の職人など、戦国期を生き抜いたプロ集団の秘話に迫るといった内容です。

村上水軍博物館でも先月撮影がありました。展示品のいくつかが登場する予定です。私Kも少しだけ出演するかも・・・。

放送日は9月25日(水)。詳しくはNHKのホームページをご覧ください。

NHKオンライントップページ(http://www.nhk.or.jp/
NHK「歴史秘話ヒストリア」のページ(http://www.nhk.or.jp/historia/

※NHKオンラインへのリンクはのNHKの許可を受けています。特定ページについては将来変更・閉鎖の可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

(K)

2013年9月20日金曜日

能島城跡 雑木伐採本数調査。

先週末、日中はまだにえぎる暑さの中、能島城跡の雑木伐採本数調査に出かけました。


今の時期は、広葉樹が生い茂り、なかなか能島本来の郭が見えません。
ですが、今年度中に1部区画から雑木の伐採を行う予定ですので、愛媛大学のE先生のご指導のもと、対象となる雑木の樹種と本数の確定を行いました。


中でも多いのが、クヌギです。今回伐採予定の区域の9割を占めており、平均の胸高直径(人の胸くらいの高さで測った樹木の直径)が15~20cmとまずまずの大きさです。


今年の区画は本数を改めて数えると200本以上。幹の数ではなく胸高で計測したので、多いものでは1株あたり3~4本のカウントとなる樹木も。。そのほとんどはクヌギです。


実際に切り出されると膨大な数量になることは目に見えています。このクヌギ材を有効活用できればよいのですが。。。


能島の出丸の一つである矢櫃のど真ん中に大きな樹がありました。


その樹は多くの情報が刻まれたホソバタブの木。近年枯れ始めていることから、残念ながら伐採の対象となりました。


今回の雑木伐採の目的のひとつが、宮窪や、伯方大島大橋方面から見た能島城跡の景観向上(郭線がよく見えるように) のためであります。さらに台風などの悪天候で、大きな樹木が倒れ、能島の岩盤崩落などを防ぐ目的も含んでいます。


                         この日の潮流状況


毎月の雑草刈り作業なども含め、定期的な管理は欠かせません。(D)

2013年9月16日月曜日

海底に眠る歴史のロマン…講演会を開催しました。

特別展は今日まで!ぜひご来館ください!!





さて9月1日(日)に講演会『瀬戸内海の水中考古学』を開催しました。
講師は、NPО法人水中考古学研究所の吉崎伸先生。あの坂本龍馬率いる海援隊のチャーター船で、福山市沖に沈んだ伊予大洲藩の「いろは丸」の水中調査を担当された水中考古学者です。

とても珍しい海底の遺跡のお話ということもあり、約80名の参加者で会場はいっぱいになりました。

講演では、水中考古学の歴史、瀬戸内海の水中遺跡や海揚がり品の紹介、さらに「いろは丸」の調査から、水中考古学の方法まで詳しく、わかりやすくお話をいただきました。

水中考古学の魅力は?、という司会からの問いに対し、
「沈没船や海底の遺物は、当時の姿に近い状態で沈んでいることが多くあります。その姿を自らが一番に発見できるというのも、魅力の一つ」とおっしゃられていたのが印象的でした。

また、村上水軍の船が沈んでいる可能性は?との問いには、
「多くの遺物が引き揚げられていることから、その可能性は十分にある。」と力強く言われていましたが、その一方で、木の船体を喰い尽くしてしまうフナクイムシの影響についても詳しく教えていただきました。数十年で跡形も無くなってしまったという事例も。

おそるべしフナクイムシ。
ということは、村上水軍の船が海底に残っているとすれば、砂に埋もれている・・・。私Kもスキューバのライセンスを取りたいなとつくづく。

参加者のアンケートを集計したところ、回答をいただいた方の90%以上が「大変満足」か「ほぼ満足」という結果でした。吉崎先生、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

まだ当日のレジュメが残っていますので、ご希望の方はお問い合わせください。(K)

2013年9月11日水曜日

水軍バリィさん七変化 Ver.10 「サイクリスト バリィさん」 登場

恒例の月別バリィさん。

ニュータイプの「サイクリストバリィさん」が登場しました。

 
実は2輪自転車は1台で、2台は3輪タイプの自転車。ですが、バリィさんの体形では足が届きません。きっと後ろから押してもらうのでしょう。


最近、博物館に来場されるサイクリストの方は、本格的な専用スーツに身を高め、中にはヘルメットをかぶったまま観覧される方がいらっしゃいます。



景色のよい「しまなみ海道」を闊歩するにはとてもよい季節になりました。

詳しいサイクリング情報はこちら⇒ http://www.oideya.gr.jp/shimanami_cycling/ http://www.go-shimanami.jp/rental/

また来月10月20日(日)には来島海峡大橋を通行止め(AM7:00~AM10:00)にして「サイクリングしまなみ2013が開かれるそうです。⇒http://cycl-ring.com/ 

高速道路の車道を通行できるのは、1999年に開通した少し前に、今治市の継ぎ獅子を車道上でお披露目したとき以来ですね。

もうすでに参加者の募集は締め切られたようですが、9月30日まではボランティアの募集は行われているようです。⇒ http://cycl-ring.com/photo_news/popup.php?id=20130903093955

 
 



今年の特別展 「瀬戸内海・中世沈没船の謎」も9月16日(月・祝)までと開催日が残りわずかとなっています。

子供むけの解説パンフレットですが、大人でもわかりやすい解説書。
「楽しく学ぼう!海の考古学…特別展パンフレット無料配布中!」
http://suigun-staff.blogspot.jp/2013/09/blog-post_8.html

「村上水軍特製 安宅船のペーパークラフト無料配布中!」
http://suigun-staff.blogspot.jp/2013/08/blog-post_31.html


いつの間にか、「小早船」風のタイプも試作されていました。これにあとストロー製の「櫓」が必要です。


来館時、無料配布ですので、ぜひお持ち帰りください。(D)