2014年12月14日日曜日

桜の能島 から 史跡の能島城へ パート2

桜の能島 から 史跡の能島城へ パート1  http://suigun-staff.blogspot.jp/2014/12/1.html を踏まえた上で、今度は能島城そのものの景観向上についてみてみたいと思います。


能島城の散策や宮窪方面から能島城を観られた方は、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、能島は今、周囲からも一目で中世の城、海城、能島城とわかるように、古来にはなかった高い樹(クヌギ)などを中心に伐採を進めています。


今年度も博物館側からもはっきりと能島だとわかるような伐採作業を新年早々開始予定です。


こういった景観整備を進めていく中で、最近議論され伐採を行う予定である中に、能島の桜があります

桜に思い入れの強い地元の方には特に周知していただきたいことなのですが、来年度からはしっかりと説明していかないといけない案件ですので、これからも整備工事の状況等、ブログにアップしていきますね。

 
能島の桜は、発掘調査以前から古木などを中心に突然倒れたり、枝が落ちてきたりと、特有の病気 ( テングス病・コウソ病 ) に感染していることからあまり寿命が長いものではなかったそうです。
 
一番の懸案は、今年度から始まった上陸ツアー等、以前よりまして人々が島内で散策するということが増えていくと、倒木や折れた枝などが、来島者にあたってケガということにもなりかねないのです
桜の木の根による 遺構・遺物の損壊状況 不許転載 )
 
さらに10年以上に及ぶ発掘調査の成果から、明らかに桜の木の根が、能島城内の各遺構、埋納されている遺物をことごとく破壊している現状を目の当たりにしています。


またその根を伝った雨水などが側面の岩盤を浸食、崩壊させたりする状況も確認されています。

 
以上のような事例と、平成28年度と平成29年度に実施予定である能島城内の雨水排水管設置工事直接桜の木の根が当たってしまっていずれにしても、木の根を切ってしまわないといけないのです。
 
こういったことから、能島の桜の木を伐採する前に、事前にホギといって枝を養育し、別の場所へ移植能島の桜のDNAを育て活かすというようなことを提案しています。

 
具体的には、対岸の大島や隣島の鵜島などにホギした桜を移植といった案も出ています。


但し、能島及びその周辺は環境省の定める瀬戸内海国立公園 第1種特別地域内に属するため、関係各庁との連携、意思疎通、各種申請等が必要なのです。こういったことから十分に審議及び協議されていく案件でもあるため、これからは調整等も必要になってきます。

今は計画段階ですが、能島の整備作業はこれからどんどん進んでいき、おそらく訪れるたびに変貌していくと思われます。

 
今は桜も最盛期の頃に比べ、だいぶ落ち着いてきているようですが、能島城は国指定の史跡本来は中世の海城で桜の島ではなかったのです。昭和の初めに植えられ始めた桜の木。

 
これからは「桜の島・能島」は卒業して「史跡の海城・能島城」への変貌していく時期なのです(D)